【レトロゲーム探訪】生き残るのは至難の業! 地獄の難易度を誇るパワプロサクセス「戦争編」を君は知っているか

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子供のころに熱中したゲームというのは、不思議と細かい部分まで内容を覚えたりしているものである。おそらく子供なりに知恵を絞ってクリアしようと四苦八苦したことが記憶に残るのであろう。

そういった意味で、筆者のなかに強烈な印象を残しているゲームがある。かつてゲームボーイカラーで発売された『パワプロクンポケット2』だ。このゲームには「戦争編」なる裏サクセスモードが搭載されていた。

完全クリアは至難の業ともいえる難易度に、戦争の暗さを伝える不気味な世界観。多くのプレイヤーを苦しめた異色のサクセスモードの思い出を振り返ってみたい。

・舞台は戦場!?

『実況パワフルプロ野球』の携帯ゲーム版としてスタートした『パワプロクンポケット』シリーズ。2作目にあたる当ゲームでは、一定条件を満たすと通常のサクセスモードとは異なる裏サクセスがプレイできるようになっていた。それこそが今回紹介する「戦争編」だ。

ご存知の方も多いと思うが、サクセスというのはストーリーを進めながらキャラクター(野球選手)を育成するゲームモードのこと。ストーリーの進行に伴い得られる経験点を自分で振り分け、オリジナルの選手を作っていく。

この点では「戦争編」も通常のサクセスと違いはないのだが、異質だったのは物語のステージが戦場だったこと。野球をすることはなく、ひたすら戦地でのサバイバルに終始する。このような野球と関係ないストーリーに沿って進む裏サクセスは、以降のパワポケシリーズにも引き継がれていくことになる。

・生き残るかは運次第

プロ野球選手だった主人公が戦時下にタイムスリップするところからゲームは始まる。主人公は北方戦線・西方戦線・南方戦線の各ステージを転戦して、補給兵としての任務に当たることになる(呪島、Dr.ダイジョーブの島など特殊ステージもある)。

つまり通常のサクセスでは試合や練習を通じて経験点を得られるところ、それを「戦争編」では戦場でのミッションを通じて獲得するということだ。任務やランダムイベントの過程で主人公の体力が削られることがあり、体力が尽きるとゲームオーバーになる。

このゲームの最大の特徴は、運の要素が非常に強く難易度が高いこと。プレイヤーにできるのは基本的にステージと任務を選ぶことのみ。あとは運任せで、なるべく危険に遭遇しないよう祈りながらゲームを進めていくしかない。

敵との交戦はもちろんのこと、伝染病やら食糧難やらスコールやらの災厄が次々と起こり、任務が終わったのに迎えの船が来ないなんてこともザラにある。このようなバッドイベントを運だけを頼りに潜り抜け、サバイバルしていかないといけないのだ。

ある程度までプレイすると帰還コマンドが登場し、その時点での選手データをもってクリアとすることが可能。しかし、長くプレイすればするほど強い選手を作ることができるので、どこまで粘るかの判断をプレイヤーは迫られることになる。

どれだけ長くサバイバルしてもゲームオーバーになると元も子もないので、この判断は非常に難しい。欲張った末に失敗して枕を濡らしたことが筆者も何度あったことか……

・どこまでもシビアな世界観

戦争の悲惨さを伝えるかのような暗い世界観も「戦争編」の特徴である。あくまでパワプロなので、主人公をはじめとするキャラクターたちは可愛くデフォルメされている。しかしながら戦場で起きるイベントはシビアそのもので、全く情け容赦がない。

ストーリーが進むにつれて体力を大きく削る凶悪なイベントが発生しやすくなり、前線の兵士はボロボロになっていく。太平洋戦争をモデルにした舞台設定であることは誰の目にも明らかで、無謀な戦いでしかなかった先の大戦へのアンチテーゼのようなものすら感じられる。

またゲームの基本的なシステムも悲壮感を助長している。このゲームには終わりが見えないのだ。どこまでプレイしたら完全クリアになるのかが明示されない。

今でこそインターネットが発達しているので、「戦争編」にゴール(完全クリア)が存在することは検索すれば分かる。しかしゲームをプレイしていた中学生当時の筆者には知る由もない。

あるかどうかも分からないゴールを目指して力尽きたことが何度もあった。この終わりの見えないところに得体の知れない恐ろしさのようなものがあったのだ。

しかもゲームは完全な運任せで、自分の努力ではどうすることもできない。ただひたすら生死をかけたロシアンルーレットを繰り返していくことになる。

戦争映画のような白々しいドラマもなく、死ぬときは序盤であっさり死ぬ。この命を粗末にするかのような素っ気なさも妙にリアリティがあった。

結果としてレトロゲームならではのシンプルさが戦場での悲哀を演出していたサクセス「戦争編」。パワプロシリーズの中でも異色の存在といえるゲームモードではあったが、まさに深く記憶に残る隠れた名作であった。

執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.


出典元: 【レトロゲーム探訪】生き残るのは至難の業! 地獄の難易度を誇るパワプロサクセス「戦争編」を君は知っているか
ロケットニュース24